a box of chocolates

You never know what you're gonna get.

各スポーツリーグの撮影やSNS投稿に関するルールをまとめてみた(2022年2月)

先日京都サンガプレシーズンマッチを観に行った際に、写真撮影や動画撮影のルールってどうなんだっけと調べたろころ、ちょうど2022年の1月末でJリーグの観客による撮影ガイドラインが改定されたことを知りました(ちなみにプレシーズンマッチは公式戦ではないので上記ガイドラインの対象ではなさそうでした)。

少年野球の撮影用にと買ったカメラとレンズを活用するために、スポーツ観戦に行って撮影とかしてみたいなーと思っていたところだったので、ついでに色々なプロスポーツの撮影ルールについて調べてみました。

プロ野球セ・リーグ / パ・リーグ

一般社団法人日本野球機構のサイトで公開されている「試合観戦契約約款」を見る限り、試合の撮影に関する規約はなさそうです。禁止事項の中で「フラッシュ」について禁止されていますが、あくまで試合進行の妨害になる行為についての禁止であって、撮影の禁止とは書かれていないです。

では、プロ野球は撮影し放題、SNSに投稿し放題かと言うと、そうではなくて、各球場(あるいはチーム)ごとに、「試合観戦契約約款」に付随する形でルールが定められています。例えば、神宮球場の例を挙げると、以下のサイトにある通り「主催者の許可なく、音声・映像などをインターネット・その他メディアを通じて不特定多数の視聴が可能なものとして生配信または長時間の録画を配信するなど、記念撮影や個人の鑑賞目的以外の目的で撮影する行為」が禁止されています。

ちょっとわかりにくいですが、個人の記念に撮影する以外は駄目だよと書きつつも、「生配信」や「長時間の録画を配信」と条件を書いてあるので、ちょっとしたプレーの撮影とSNS投稿については救済しよう、ただし、まずいものはNGが出せるような余地を残しておこうというような風にも読めます。

昔からあるリーグで、ファンとの交流に写真撮影などがあったからとか、グラウンドが広いので注目を浴びるようなそれなりの動画や写真を撮影するには、かなりの機材投資が必要そう、というのも理由なのかもしれません。

少年野球で野球を撮影してきた経験だと、野球はバッターボックスの位置が決まっているので、バッティングの写真や撮影についてはカメラ位置は決められるので、シャッターを切りまくればかっこいいバッティングのシーンは撮影しやすいですし、守備位置もだいたい決まっているので、プレー中の選手の表情やスナップは撮影しやすいです。ただ、球場の構造的に間にネットが挟まるので、クリアに撮影するハードルがそれなりに高いですし(オートフォーカスだと手前のネットに自動的にピントが合ってしまったり)。また、打ったあとのプレーを撮影しようと思っても、打球が速くボールも小さいので、望遠カメラで追うのは至難の技だと思います。ということで、動画が撮影されても、クオリティが高く注目を集める動画が撮影されにくいので、規約に落とし込むまでではないということなのかなと想像しました。

プロサッカー

サッカーは動画や写真に関するルールが2022年1月までめちゃめちゃ厳しかったようです。試合の動画は言わずもがな、スタジアムやその周辺で撮影した写真や動画をネット上に投稿することも禁止されていたとのことで、なかなか厳しい。そんな中、2022年1月31日にガイドラインの大幅な改定があり、ルールは大幅に緩和されました。

Jリーグ

<写真>
公式試合全ての試合の試合会場で、投稿者ご本人様が撮影した写真

<動画>
公式試合全ての試合会場で、投稿者ご本人様が撮影した動画
ただし、以下の2つの場合は除きます
(1)試合開始(前半キックオフ)から試合終了(後半終了)までの間(ハーフタイムは除く)にピッチ上を撮影した映像
(2)時間を問わず、試合日当日にスタジアム内に設置された大型映像装置において放映された試合の映像(ハイライト映像も含む)を撮影した映像

Jリーグ公式試合における写真・動画のSNSおよびインターネット上での使用ガイドラインについて【Jリーグ】:Jリーグ.jp

試合中を撮影した「動画」はNGですが、それ以外は大丈夫というルールで、これは嬉しい。試合の開始直前までも動画は撮影OKなので、例えば試合中の映像は静止画でつなぐボラギノールのCM形式の動画はOKなのかな。動画も限りなく分割していけば静止画の連続である、みたいな話になりそうですが、そこはまあ常識の範囲内であればこの規約内に収まるのではないかなと思います。

本人が撮影したものであれば写真のSNS掲載はOKとのことなので、サッカーファンの皆さんはぜひはてなブログで応援ブログを書いて盛り上がってほしいなと思います。

日本代表戦

サッカーの日本代表戦についてはJFAのサイトに記載がありました。

Q.試合の様子を撮影したり、SNSに公開しても大丈夫?
もちろんOK!ぜひハッシュタグを付けて多くのサポーターにシェアしてください。

おすすめハッシュタグ
#daihyo #samuraiblue #nadeshiko

※営利目的や選手・スタッフの肖像権の侵害となる写真撮影、およびビデオカメラやスマートフォン等による試合動画の撮影、インターネット配信、三脚等を含む大きな機材の使用、また他のお客様の観戦や試合運営を妨げる撮影行為はご遠慮ください。

https://www.jfa.jp/national_team/guide/guide_04.html

「もちろんOK!」の「撮影」は静止画に限定されるのかな。注意書きで「ビデオカメラやスマートフォン等による試合動画の撮影、インターネット配信、三脚等を含む大きな機材の使用」と書かれている部分で書かれているのはどこまでの範囲なんでしょうか。試合動画、が意味するのは長時間の試合の動画ってことなのか、例えばシュートシーンやファインプレーなど短めのシーンの動画撮影はここに含まれるのかな。まあ含まれるんでしょうね。また「三脚等を含む大きな機材」はバカでっかいカメラレンズを禁止できるような注意書きなのかなと思いました。

Bリーグ

バスケットボールのBリーグは、最近できたリーグだけあって、動画についてはサッカーよりも少し詳しく注意が書かれていました。

試合中の写真撮影および15秒以内の動画撮影は個人での利用を目的とした場合に限り可能です。
※個人での利用以外のメディア掲載や商用利用を目的とした写真撮影・動画撮影については、クラブおよびリーグの許可が必要です。
公式記録として公開されたものを除き、チームの得点や個人の記録等の試合に関する情報を、商業利用目的(スポーツベッティングの用に供する場合を含みますがこれに限りません。)で記録したり他者へ提供する行為はおやめください。また、それを疑われる行為についてもおやめください。

https://www.bleague.jp/watching/

フラッシュを使用した写真撮影、および周囲の観戦の妨げになる大きな機材(望遠レンズ、三脚など)を使用しての写真撮影はおやめください

https://www.bleague.jp/watching/

15秒以内であれば、動画撮影OKというのは良いですね。スマホで気軽に撮影してOKということなのかと思いました。また、大きな機材をつかっての撮影もNGというところに「望遠レンズ」とも書いてあります。どのくらいの大きさのレンズまで許されるのか、という疑問はありますが、あくまでも周囲の観戦の妨げになるという条件で書いてあるので、隣や前後の人がプレーが見にくくなるようなサイズは駄目だよということなのかな。

Vリーグ

VリーグのルールにもBリーグ同様に動画に関する詳しい記載がありました。

  • 試合中のフラッシュ撮影、また自席を離れた場所での撮影は禁止されています。
  • 個人での利用を目的とした場合に限り、試合中の写真撮影や動画撮影を認めます。ただし、SNS等への動画掲載についてはプレーシーンの場合は1セット1ラリーまで、ベンチの様子などプレーシーン以外は30秒以内とさせていただきます。
  • 商業目的、またVリーグ機構ならびに第三者の権利を侵害する形で大会の映像や静止画、音声の全部または一部を、各種メディアを通じて配信することは禁止されています。個人利用以外のメディアへの掲載や、商業目的での撮影については、チームおよびVリーグ機構の許可が必要となります。
  • Vリーグ機構では、アスリートの写真・動画を使⽤した性的⽬的のSNS投稿やWEB掲載を固く禁止しています。会場で盗撮等を見かけましたら、大会スタッフにお知らせください。また、アスリートを傷つける性的目的のSNS投稿やWEB掲載を見かけましたら、Vリーグ機構の問合せ画面もしくはJOCのホームページから報告してください。
https://www.vleague.jp/ticket/message

個人利用の目的であれば写真も動画もOKで、SNSなどへの動画については「プレーシーンの場合は1セット1ラリーまで、ベンチの様子などプレーシーン以外は30秒以内」と詳しく記載されています。1ラリーだけなのは、ちょっとさみしいですが、まあ「Vリーグ行ってきました」みたいなvlog的な動画を作るには十分な尺じゃないかなと思います。またVリーグの規約はアスリートの写真の性的目的に関する記載があるのも特徴的でした。

競馬・競輪・競艇など

公営ギャンブルについては、ギャンプルという性質上、観客の映り込みに関しては厳しく制限されているようです。

競馬

「営利目的(インターネットその他メディアを使ってのライブ配信・録画配信を含む)での撮影」とありますが、個人で馬の撮影をしたいということに関しては、迷惑にならなければ良さそうです。

競輪

競輪については、各競輪場のサイトにルールが記載されているようです。例えば松戸の競輪場に関しては以下の通り。

「ゴール真横からの撮影」は禁止されているのは競輪固有かもしれません。ドローンという表記があるのも今っぽいです。また、バンク内の練習中の選手の撮影はNGというのがあって、これも固有のルールですね。

別のいわき平競輪場については、松戸と共通の部分がありつつも、撮影禁止場所が図示されていたり、各種メディア・SNS等への投稿・公開は禁止すると明記されていたり、特殊カメラを持ち込む行為(赤外線カメラ等)が禁止されていたりします。個別の事例については過去になにか問題が発生したりしたんですかね。

競艇

競艇についても各競艇場でそれぞれルールがあるようです。例えばボートレース若松だと以下のとおり。

「ぜひ、SNSでの共有等にご活用ください」とあるように、積極的な利用を呼びかけています。三脚や脚立についても利用OKのようです。ただし「撮影した動画をYoutube等の動画共有サイトに掲載する場合は申請が必要」とあるので、ご注意ください。これはおそらく運営者側がどこのチャンネルで利用されているかを把握しておきたいということなのかと思います。

ちなみに以前撮影に行ったボートレースびわこは、写真撮影はOKですが、場内インフォメーションセンターで受付をして許可証を借りる必要がありました。

感想

ファンサービス、また、SNSでの共有からのマーケティング効果に期待したいという部分と、選手やチームの権利、放送との兼ね合いをどうやって取るのかについて、各団体が考えながらルールを定めています。どんなルールも、前提にあるのは、競技の進行の妨げにならない、他の観客の迷惑にならないということだと思うので、そこはまず意識したいです。
全体的に「営利目的」の撮影は禁止ということが書かれていることが多いのですが、いわゆるアフィリエイト公告(YouTubeに出てくる公告)はそこに含まれるのかどうかが曖昧な事が多いですね。Jリーグガイドラインでは、個人の動画ページに出てくるアフィリエイト広告に関しては営利目的ではないと書かれているので安心ではあります。