a box of chocolates

You never know what you're gonna get.

会社の理念と自分の夢をリンクさせる

ちょっと前の記事だけど、社員のやる気と能力を求めた中小企業の社長の記事が面白かったのでメモ。
「社員は本当に幸せかいな?」日本一の会社を目指すことをやめたナニワの町工場 終わりなき社員教育は何を目指すのか:JBpress(日本ビジネスプレス)

中小企業は入社してきた人をどう育てるかが重要です。創業したときから自分なりにいろいろと社員教育をやってきました。でも、中小企業は社員をつなぎ留めるのがなかなか大変です。

そうですよね。人をつなぎ留めるのって大変です。
大企業は簡単かというと、単に大企業の場合は辞める人が多くても入る人も多いので、ダメージの大小の違いでしかないかなと思います。

ところが、入社して7年目ぐらいのときに辞めてしまいました。親がしゃしゃり出てきたんですよ。お前はもうちゃんと働けるようになったんやから他の会社へ行け、藤原みたいな小さな会社にいたら退職金ももらわれへんぞ、おれが大きな会社探してきたからあんな会社もう辞めろと言って。それで彼はそっちに行ってしまったんです。

でも、結局、彼も辞めていきました。手取りで25万円はないとあかんと嫁さんに言われたらしい。それまで、彼は残業して手取りで30万近くはあったんですよ。けれども「25万以上もらえる運送会社での仕事を見つけたので辞めます」と言って辞めていきました。

手塩にかけて育てたつもりの社員が、あっさり辞めていく無力感。経営者、管理者が避けて通らずにはいられない話です。

私は、この会社にはなんか足らんと思って、ずっと社員と勉強会をやっていました。でも、勉強会にしても自分の思いをしゃべっているだけやった。経営理念もなかったから、会社がどこに行くか分からんような勉強会をやっていたんやね。

こういう反省ができる社長、素敵です。

社員はみんな賛同してくれて、そうや、日本一の会社を目指そうと言っていました。でも、だんだんその目標に私が疑問を持ってきてね。

要するに、寝てる時間以外はずっと会社なんです。趣味も家族サービスも抜きに働いて、給料だけ持って帰るわけです。自分の時間をつくるためには睡眠時間を減らすしかない。それで本当に幸せかいな、人生楽しいんかいな、これはちょっと間違ってるんちゃうかと。「日本一」というのは私が言い出したんだけど、自分で疑問に思ってしまったわけです。

会社として仕事がうまく回り出したところでライフワークバランスみたいなところに注目できるのはすごいですね。普通は「会社の数字が伸びてるからいいじゃん」ってなりそう。

そこで社員からアンケートを取りました。素晴らしい人間ってどんなことができる人だと思いますかと。14人の社員みんなに聞いたら、6カ月で2000項目ぐらい出てきました。大きな声で挨拶できる、毎日新聞を読んでいる、というレベルから始まって、新入社員の指導ができる、決算書が読めるとかいったレベルのものまで。それらをまとめて、新入社員はこれくらい、主任はこれくらい、課長はこれくらいできなあかんよというチェックリストを作成しました。

社長も立派だけど、こういう取り組みにしっかりとついていく社員の方々も素敵やん。

そこで次に思いついたのが、社員の夢、10年後に自分はこうなっていたいという姿を書いてもらうことです。プライベートな夢とこの会社の発展がどう結びつくか、作文してくださいと言って書いてもらったんですよ。

こうして、初めて経営理念と個人の夢がちょっとだけでも重なり合いました。いまは、社員みんなが素晴らしい人生を歩めるような会社を目指しているところです。

会社の理念と個々人のタスクをリンクさせるというのは、良い会社だとよく訊く話ですが、それを個人の夢にまでリンクさせるというのはなかなか。規模が小さい中小企業ならではの取り組みかもしれませんが、だからこそ大企業に対する強みにもなります。

頭の良し悪しよりも素直かどうかの方がずっと重要だと思っています。頭のいい人ほど変に自信があって素直じゃない。いろいろな人に学ぼうという謙虚さが欠けていることが多い。

頭の良さより、素直さ、が大事なのはそうですよね。素直&素直&素直。
自分の悪いところに向き合うのは、なかなかしんどいですが、そういうのを乗り越えて人は成長するんですよね。