a box of chocolates

You never know what you're gonna get.

岡ちゃん、最高やで

サッカー岡田監督の2009年に書かれたインタビューがソーシャルメディアで流れてきたので再読したら色々響きまくったので、引用しつつメモメモ。

 横浜F・マリノスの1年目(2003年)は年間王者になりました。それで2年目(2004年)は「もういいや、こういうやり方は。お前らちょっと自由にやってみろ」と言ったところ、開幕から1分2敗でクビになりそうになりました。「これはマズイな」と思って、選手に「悪かった。もう1回やり方をもとに戻す。今からでも間に合うかどうかは分からないけど」と言ったら間に合っちゃったんですよ。2年目も優勝したんです。

うまくいったやり方に満足せず、やめて、その結果うまくいかなかったらちゃんと説明して戻すという判断と勇気が素敵です。

 「開き直り」という表現は悪いかもしれないですが、これはある意味どんな仕事でもトップやリーダーになったら、一番大事な要素かもしれないですね。「監督の仕事って何だ?」といったら1つだけなんです。「決断する」ということなんです。「この戦術とこの戦術、どっち使う?」「この選手とこの選手、どっち使う?」ということです。

「決断」が大事な要素ですね。身につまされます。精進しよう。

 じゃあ「どうやって決断するか」といったら“勘”なんですよ。「相手のディフェンスは背が高いから、ここは背が高いフォワードの方がいいかな」とか理屈で決めていたらダメなんです。勘なんです、「こいつ(を使うん)だ」と。

理屈で決めない、勘です、と言い切るのが男らしいっす。

 よく標語が書いてあるカレンダーがあるじゃないですか。ジョホールバルから帰ってきた後、吊るしてあったのをたまたま見ると、「途中にいるから中途半端、底まで落ちたら地に足がつく」と書いてあったんです。その通りなんですよ。苦しい、もうどうしようもない、もう手がない。でも、それがどん底までいってしまうと足がつくんですよ。無心になんか中々なれないけど、そういうどん底のところで苦しみながらも耐えたらスイッチが入ってくるということです。

どん底にいても、もがき苦しんでいたらスイッチが入るんですね。諦めてはいけない。

 明確な目標はもちろん「W杯本大会でベスト4入ることに本気でチャレンジしねえか」ということ。みなさんはいろんな成功の書とか読んで「目標設定って大事だ」と思っているでしょうが、今みなさんが思っている10倍、目標は大事です。目標はすべてを変えます。

目標は大事。目標は大事。目標は大事。
大事なことなので三回書きました。

 村の祭り酒という話を、選手によくします。収穫を祈念して、夏祭りをする村があった。祭りでは、お酒が入った大きなたるを、みんなでパーンと割って始める風習があった。ところがある年、貧乏でお酒が買えなくて、みんな集まって「どうしよう、これじゃ祭り開けねえな」と悩んでいた。するとある人が、「みんなが家からちょっとずつお酒を持ってきて、たるに入れたらどうだ?」と提案した。「それはいいアイデアだ」ということで、みんなが持ち寄ってたるがいっぱいになった。「これで夏祭りを迎えられる。良かった」ということで当日にパーンとみんなで割って「乾杯」と言って飲んだら、水だったという話です。みんな、「俺1人ぐらい水を入れても分かんないだろう」と思っていたんです。

この笑い話、シチュエーションによっては実際にありえたりするのが怖いですね。正直に、本音で仕事しよう。

 スランプの泥沼にあえいでいる奴らが10人いるとするじゃないですか。泥沼であえいでいる時に早く手を出してバッと引き上げても、手を離したら大体もう1回落ちるんですよ。そして2回目に落ちた時というのは、中々上がってこない。これ放っておくと、10人いたら5人はそのまま沈みます。でも、5人は必死になってもがき苦しんで、自分の力で淵まではい上がってくる。その時に手を貸した奴は残ります。

この辺はサッカーのプロの世界の話という気もしますが、参考にはしたいです。

 でもそういうもんでね。「いろんなことを人にやってもらうんじゃなくて、自分でやらないといけない」という意味をour teamという言葉に込めています。

「自分たちの」という意識は重要です。

3つ目が「do your best」。「チームが勝つためにベストを尽くせ」という意味です。例えばマネージャー。予定が変わるとマネージャーは大変なのですが、変更することは当たり前。「お前の仕事がやりやすいためにチームはあるんじゃない。チームが勝つことにこだわれ」ということです。

チームが勝つことにこだわります。

 僕は「勝負の神様は細部に宿る」という言い方をします。試合に勝った負けたといった時には、大上段に構えた戦術論やシステム論が取りざたされます。それは大事ですが、勝負を分けるのは往々にしてそういう小さなことの積み重ねなんです。これはもう僕の信念ですね。concentrationではそういうことを言っています。

神は細部に宿る。細部にこだわりすぎるのも問題ですが、こだわらないのはもっとだめですね。

5つ目が「improve」。「今を守ろうとするな。常にチャレンジしてもらいたい」ということです。チャレンジしていくと必ずそこに壁が現れます。甘い誘いも来たりします。でもその時に、先ほど言ったように遺伝子にスイッチをいれるためにも「絶対簡単にあきらめるな」と。「壁は邪魔をするために現れてきているわけじゃない。本気で目指しているかどうかを試すために出てきている。本気なら必ずその壁を乗り越えられる。本気じゃなかったらあっさり壁に阻まれる」、そう選手に言っています。

簡単に諦めない。

チームというのは仲良しグループが一番いいのですが、別に仲良しグループじゃなくても
いいんです。大体、男30人が集まってみんな仲良しなんてこと、今まで1回もないですよ。「どうもあいつそりがあわん」「どうもあいつ好かんな」ということはあります。でも、「どうもあいつ好かんけど、あいつにパス出したら絶対決めよる」「どうもあいつ馬が合わんけど、あいつにあそこ守らしたら絶対止めよる」、こうやってお互いを認め合うのがチームワークなんです。そう認め合ってもらうために、自分を認めてもらう努力をすること。これがcommunicationです。

お互いを認め合うのがチームワーク。ちゃんとチームメンバーのことを見ていることを伝えていきたいと思います。

究極はあいさつですよ。あいさつは「自分には認め合う準備がありますよ」という印ですから。あいさつもきっちりできないのにcommunicationなんかとれないです。僕は毎朝犬の散歩をするのですが、知らない人に会っても必ず「おはようございます」とあいさつをします。

あいさつ重要ですね。僕も古い人間なのであいさつは重視したいです。

勝負哲学

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蹴球日記 (FOOTBALL Nippon Books)

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